あんこパイ vs. 月餅風「老婆餅」の完成品の写真

あんこパイ vs. 月餅風「老婆餅」

層になった折り込みパイ生地を作るのが大好きです。ケーキ作りのようにたくさんのボウルや道具が汚れませんし、パンよりも待ち時間が短くて済みます。生地が手の中で伸びていき、やがてサクサクとした層になるのを見るのは、本当に気持ちの良いものです。 このレシピでできあがるのは全部で10個。あんこ入りパイが5個、「老婆餅」が5個です。 2種類ではなくどちらか1種類だけ作りたい場合は、作りたいほうの餡の分量をそのまま2倍にしてください。

材料

水油皮:適宜
薄力粉(中力粉でも可)100 g
40 g
ラード35 g
砂糖15 g
油酥:適宜
薄力粉70 g
ラード35 g
あんこパイの餡:適宜
甘い小豆あん200 g
「老婆餅」の餡:適宜
45 g
バター15 g
粉砂糖40 g
もち米粉22 g
ココナッツファイン(乾燥)3 g
白ごま3 g
仕上げ用:適宜
白ごま(老婆餅用)少々
黒ごま(あんこパイ用)少々

手順

1

まずは水油皮を作ります。可能であれば、グルテン膜が張る“薄い膜テスト”に通るまでよくこねます。薄い膜が張る生地はとても弾力があります。10等分し、ラップをかけて20分休ませます。

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2

次に油酥を作ります。油酥の材料を混ぜ合わせ、こちらも10等分します。乾燥しないようラップをかけておきます。

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3

水油皮を1個取り、その上に油酥を1個のせて包み込み、口をしっかり閉じます。

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4

軽く押さえてから、舌のような細長い形になるように6~7cmほどの長さにのばします。あまり長くしなくて構いません。

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5

きつくならないようにふんわりと巻き、ラップをかけて20分休ませます。

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6

2回目の折り込み:巻いたものを立てて置き、まず優しく押さえてつぶします。

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7

再びゆっくりとのばして舌状にしますが、あまり長くし過ぎないようにします。長くし過ぎると層が破れて、サクサク感が損なわれることがあります。

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8

もう一度巻き、ラップをかけて25分休ませます。休ませている間に餡を準備します。

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9

ココナッツともち米粉の餡:フライパンに水、バター、砂糖を入れて沸騰させます。

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10

液体がしっかり沸騰して大きな泡が立ってきたら、ココナッツファイン、もち米粉、ごまを一度に加えます。

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11

粉っぽさがなくなり、全体がよく馴染んで、色がやや黄色っぽくなるまで炒め混ぜます。

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12

少し冷ましてから、5等分します。

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13

小豆あんも5等分し、それぞれ40 gずつに分けます。

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14

ここから包み始めます。生地の中心を親指でぐっと押します。

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15

両端を中央に押し寄せて丸くまとめ、おおよそ円形になるようにします。その後、麺棒でそっとのばして、さらに大きく丸くします。

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16

麺棒で軽くのばし、包餡用の丸い生地に整えます。

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17

包み方:生地を1つ取り、中央に餡をのせ、親指と人さし指の間でつまむようにして口を閉じ、余分な生地を取り除いてから、3本の指で軽く押さえて平たくします。

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老婆餅用のココナッツ餡も同じ要領で包みます。

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老婆餅は包んだあと、上から押して平らにし、表面に浅く切り込みを入れて溶き卵を塗り、白ごまをふります。

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あんこパイには溶き卵を塗り、黒ごまをふります。どちらも同時に焼いて構いません。180℃に予熱したオーブンの中段で25~30分焼きます。あんこパイには黒ごま、老婆餅には白ごまを使うと、見分けがつきやすくなります。

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21

焼き上がってすぐ、熱々のものを2個食べてしまいました。自家製の小豆あんは甘さも油っぽさも控えめで、本当にちょうどよいおいしさです。

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22

老婆餅のできあがり。

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料理のコツ

1. パイ生地用のラードは、必ず“板油”(豚の腎臓まわりの脂)を使い、ロース肉の背脂ではなく、ましてや適当に溶かした豚脂を使ってはいけません。人によっては常識かもしれませんが、これは私自身の失敗経験に基づく話です。店によっては質をごまかすところもあると言われています。私が初めて板油を買おうとしたときも、実際にはロースの脂身を渡されました。そのときは違いが分からず、その脂を溶かしてみたところ、非常に不快で食べられないような臭いになってしまいました。 ネットで調べて、ようやく違いが分かりました。板油は薄い膜に包まれた固まりの脂で、切ると小さな塊にほぐれ、溶かすと特に良い香りがします。一方、ロースの脂身は、皮の下の脂肪部分から皮と赤身肉を取り除いたもので、香りはなく、ただ肉っぽい匂いがするだけです。 2. 小豆あんの分量は自家製あんを想定しています。市販のあんこを使う場合は、一般的にとても甘くてくどくなりがちなので、分量を少なめにしてください。