かぼちゃとナツメのロール(天津伝統ナツメ巻き)
どうして「天津伝統ナツメ巻き」と呼ぶのかというと、私が小さいころからずっと食べてきた味で、まさに祖母がいつも作ってくれていたナツメ巻きそのものだからです。実家にはこうした習慣がありました。春節前になると、どの家でも蒸し器がフル稼働で、マントウやナツメ巻き、小豆あんの蒸しパン、米粉の蒸し菓子などをせっせと作っていました。北方の人々の食卓には、蒸しパンや餃子、麺類などの小麦粉料理が欠かせません。私は祖母が作業しているそばで生地を伸ばすのを手伝うのが大好きで、そのうちに祖母の技も少しずつ身についていきました。祖母は本当に料理上手で、作れないものはないほどでした。月餅もあんを変えて何種類も自分で作っていました。当時の調理器具は今ほど良くなく、仕上がりも今のように繊細ではありませんでしたが、それでも祖母の腕前は群を抜いていました。 思い出話はこのくらいにして、かぼちゃ入りのナツメロールの作り方に移りましょう。ちょうど今はかぼちゃのおいしい季節なので、今回は生地にかぼちゃペーストを加えてみました。こうすると、生地にほんのりかぼちゃの甘みが加わり、色合いもきれいになります。娘が私に「ママ、こういう伝統の技を少し教えておいて、将来自分でも作れるようになりたいの。すごく便利だから」と言ったので、料理好きな方たちにもわかりやすいよう、きちんと記録しておこうと思ったのです。このレシピはとても簡単で初心者向きなので、誰でもすぐに覚えておいしく作れますよ。
材料
手順
かぼちゃは皮をむいてよく洗い、柔らかくなるまで蒸します。そのあと、ミキサーでペースト状にするか、ジッパー付きのビニール袋に入れてめん棒でつぶしてペーストにします。やりやすい方法でかまいません。
小麦粉とかぼちゃペースト、ドライイーストをホームベーカリーに入れ、こねモードで滑らかな生地になるまでこねます。 ホームベーカリーがない場合は、大きめのボウルに材料を入れ、手でよくこねて滑らかな生地にします。
マントウの表面をつるんと仕上げたい場合は、生地をこねるときに少し根気よくこねてください。生地が柔らかくなめらかになったら、グルテンを落ち着かせるため、20分ほど休ませます。
蒸しパンなどの成形パンを作るとき、私はだいたい一次発酵だけにしています。生地を完全に発酵させてから成形することはせず、休ませたらすぐに成形します。休ませたあとの生地はだいたい670 gくらいになります。これを約85 gずつ8等分にします。大きさは自由に調整してかまいません。この数字はあくまで目安です。仕上がりの大きさは完全にお好みで決めてください。
一つ分の生地を取り、円形に薄く伸ばします。
生地をこねている間や休ませている間に、赤ナツメを洗ってからぬるま湯にしばらく浸します。使う直前に水気をよく切っておきます。
伸ばした生地の半分の面にだけ、写真のように赤ナツメを均一に散らしてのせます。もう半分にはナツメをのせません。
ナツメをのせていない側の生地を、ナツメをのせた側に折りたたみ、ナツメをはさみます。
写真のように、その上にもう一度赤ナツメを均一に散らします。
さらにもう一度、生地の半分を反対側に折りたたみます。これで生のナツメロールの形ができあがります。
一つ成形するごとに、蒸し器のせいろ(蒸し板)の上にのせ、ふたをします。同時に、鍋の水の量も確認しておきます。すべてのロールを成形して蒸し器に並べ終わったら、火はまだつけず、そのまま30~40分ほど二次発酵させます。大事なのは様子を見ることです。生地の大きさがおよそ二倍になったら火をつけます。最初は強火でしっかり蒸気を上げ、そのあと中火に落とします。
18~20分ほど蒸したら火を止め、ふたをしたままさらに2分ほど蒸し器の中で落ち着かせてからふたを開けます。きっとがっかりすることはありませんよ。大事に作ったかぼちゃナツメロールの完成です。
今回は6本分を蒸したところでナツメをちょうど使い切りました。もう一度ナツメを洗うのが少し面倒だったので、残った生地は小さな「ハリネズミ」パンを3個作ってみました。なかなかかわいいでしょう?気に入った方はぜひ試してみてください。かぼちゃと赤ナツメを使ったロールに、朝は豆乳か牛乳を合わせれば、栄養たっぷりでおいしい朝食になります。
私たちの地域の風習では、旧正月にはマントウやナツメ巻き、小豆あんの蒸しパンなどに少し赤い色を添えて、祝祭の意味を込め、おめでたい雰囲気を出します。